- 総資産回転率って何が回転しているの?
- 1.0だったら何なの?
- どうなったらいいの?
- うちの業界はどのくらい?
- 効率ってどういう意味??
会計初心者さんが分かるように噛み砕いて解説いたします。
この記事を読んでいただけたら、「総資産回転率」を初めて聞いた方でも、
総資産回転率がどんなものか分かっていただけると思います。
ポイントをまとめると・・・
② 英語表記:「Total Asset Turnover」
③ 総資産回転率=総資本回転率
④ 効率性を分析する指標の1つ
⑤ 目安は1.0。大きければ大きいほどいい
⑥ 総資産回転期間(日)は、総資産÷1日あたりの売上高
詳しくは下記で解説いたします。
【解説】
総資産は、期末の数字を使われることが多い印象ですが、
期首と期末の平均値の方がより厳密になります。
※平均→(期首残高+期末残高)÷2
総資産は、B/S(貸借対照表)の左側。総資本はB/Sの右側です。
B/Sは、左右どちらも同じ値なので、
どちらの数字を使っても同じものが求められます。
(一般的な他の指標は「収益性」「安全性」「成長性」などがあります)
総資産回転率= 売上高 ÷ 総資産
「総資産回転率は、総資産がどれだけ効率的に売上高を生み出したか」を表しています。
どういうことかというと、
総資産(B/Sの左側)の合計値と売上高が同じであれば、
企業が持てる全ての資産を活用し、同じ額の売上高を生み出したということです。
ここで注意したいのが、財務諸表の期間は1年間のもの、ということです。
不動産や、製品開発に1年以上かかるものは数字が1.0を下回るのが普通の場合もあります。
他業種だと比較にならないことがありますので、業態が似ているものとで比較をしましょう。
例えば、2.0(200%)の時は、「売上高に対して資産を半分しか使っていない」、
もしくは、「投資➡販売➡回収」のサイクルが年に2回回る、ということです。
総資産回転率の業種別平均
画像の参照元:統計データを探す | 政府統計の総合窓口 (e-stat.go.jp)
大まかな業界別に見ても、平均が1.0を超えるものもあれば、1.0を下回るものもあります。
例えば「小売業界」だったとしても、
生鮮食品を扱う企業は、消費期限の観点から総資産回転率の数字は大きくなるでしょうし、
缶詰や酒類をメインに取り扱う企業の総資産回転率は、それよりも小さくなるでしょう。
また、総資産回転率が低い原因は2つです。
売上高が小さいのか、総資産が大きいのか、です。
総資産回転率を上げたいのであれば、売上をもっとあげるか、総資産を小さくすればいいです。
売上を上げるには、
例えば、販路拡大やマーケティングに工夫を加えたり、
営業教育に力を入れたり、
もしくは、
販売するサービスや商品を改善するなどが挙げられます。
総資産を小さくするには、需要予測などを見直して、
売り上げや収益に結び付いていない資産の見直しを行ったり、
遊休資産(使っていない不動産等)があれば売却を検討するなどしてもいいかもしれません。
(他の指標もよく見て、本当に必要なことを見極めましょう)
例えば、iPhoneやゲーム機など、頻繁に新製品が出なくて当たり前、寧ろ年に何回も販売されても逆効果なものもありますよね。
効率が全てではありません。
売上高を365日で割れば、1回転するのに何日かかっているかがわかりますし、
12月で割れば、1回転に何か月かかっているかがわかりますし、
1年で割れば、1回転に何年かかっているかが分かります。
(2022.10.22)
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